トンイに限らず他の韓国時代劇にもよく出てくる捕盗庁・義禁府・内禁衛。
どの官庁がどんな仕事をしているのか、明確に分かる人って少ないかもしれません。
今回はそんな3官庁にスポットを当てて紹介していきます。
捕盗庁(ポドチョン:포도청)韓国時代劇歴史ドラマ辞典(←自作:笑)によると
朝鮮王朝の警察機関。捕庁(ポチョン:포청)と略していうことも多い。
第9代成宗から第11代中宗の頃までに制度が完成したとされている。
左捕盗庁(チャポドチョン:좌포도청)と右捕盗庁(ウポドチョン:우포도청)があり、前者は漢城府(ハンソンブ:한성부)の東部・南部・中央部と京畿左道を、後者は漢城府の西部・北部と京畿右道を管轄した。
兵曹(ピョンジョ:병조)に属し、それぞれのトップは捕盗大将(ポドテジャン:포도대장)従2品(チョンイプン:종2품)
トンイの宿敵?チャン・ヒジェは捕盗大将ですので従2品ですね。現代日本で言えば警視総監か警察庁長官といったところです。
ちなみに、ソ・ヨンギの前職・従事官(チョンサグァン:종사관)は、従6品なのでそう高くない地位です。警部といったところです。
義禁府(ウィグムブ:의금부)特別司法官庁。捕盗庁同様に司法機関ですが、王権維持のための官庁のため、庶民の一般犯罪ではなく、謀反などの大罪を扱いました。禁府(グムブ:금부)とも呼びます。
ドラマで謀反人に推鞫(チュグク:추국:王命による尋問・拷問)している場面を目にすることがあると思いますが、まさにあの業務を行なっているのが義禁府です。
その他にも王直属の部隊として諜報活動・消防活動・雑務、儒教的倫理の監督にも従事しました。
トータルで千人強の人員でした。
従1品の判事(パンソ:판사)以下4名の堂上官(タンサングァン:당상관)がいますが、実働部隊の長は従4品の経歷(キョンニョン:경력)です。
トンイでは、この経歷が南人の領袖一家のオ・ユン の役職です。
余談ですが、捕盗庁が後年警察機関になったのに対し、義禁府は高等裁判所となりました。
韓国の司法が為政者よりなのは、このような歴史的な流れがあるのかもしれませんね。
※トンイ30話でチャン・ヒビンこと中殿が、オ・ユンに対して知義禁府事(チウィグンブサ:지의금부사)と呼んでいました。この役職は従1品の判義禁府事(パニグンブサ:판의금부사)に続く正2品なので、彼も昇格していたのですね(汗)内禁衛(ネグミ:내금위)字幕などでは親衛隊と表記されるようですが、まさに王を直に護衛する親衛隊・近衛なのが内禁衛です。
所属はなく独立した機関です。
朝鮮中期・第11代中宗(チュンジョン:중종)以降は190名に固定化されています。
長は正三品衙門(チョンサムプンアムン:정삼품아문)の内禁衛将(ネグミジャン:내금위장)
もちろん堂上官(タンサングァン:당상관)です。
トンイの後ろ盾ソ・ヨンギが新たについた職がまさにこれです。
実は内禁衛将は1人ではなく3人います。王の警護を24時間365日一人が行うことは不可能ですから当然ですね。
ドラマ上の役職では、
オ・ユン > チャン・ヒジェ > ソ・ヨンギ となります。
ヒジェよりソ・ヨンギのほうが序列的には下なのですが、ヒジェの後ろ盾は中殿ですから仕方ないですね!
※役職や各官庁の構成についてはトンイの生きた時代、粛宗代のものです。時代により変遷していますので、他のドラマを見るときには注意が必要です。
テーマ : 韓国ドラマ
ジャンル : テレビ・ラジオ