内命婦(ネミョンブ)とは?チャン・ヒビン誕生
第17話にはオクチョンの出世と出産という重要なファクターが入っていたにもかかわらず、意外とサラリと表現されていて、少々腰砕けになりました。
主人公トンイとの差別化でしょうか。
さて、トンイに限らず朝鮮王朝ドラマを深く視聴するためには内命婦(ネミョンブ:내명부)を押さえておく必要があります。
内命婦(ネミョンブ:내명부)
宮中の後宮や宮女の総称です。
定義として重要なことは品階が付与されていること。
中殿(チュンジョン:중전)は王の正室であるため品階を超えた存在であり、内命婦の統率者です。
また、ムスリなどは品階を与えられていません。
要するに、後宮の最高位、正一品から、官女の最低位、従九位までの宮中の女性が構成員となります。
ちなみに、内があれば外もあるもので外命婦(ウェミョンブ:외명부)として、宮廷外の王族や両班の子女・婦女子に品階を与え統率しています。
それでは、詳しく見てみましょう。
これを押さえれば、トンイやオクチョンの出世の軌跡が分かりやすくなります。
★内命婦の品階 後宮
これからは史実も踏まえての考察を行うため、若干のネタバレがあります。
予備知識を入れたくない方は、このあとの記述を読まないでください。
後宮の正一品から従四品は王の側室で総じて内官(ネグァン:내관)と呼びます。
オクチョンやトンイが最初に受けた品階は従四品淑媛(スグォン:숙원)です。
揀擇(カンテク:간택)により入宮した後宮で、比較的名家の出自の場合、従一品(チョンイルプム:종1품)貴人(クィイン:귀인)などから始まりましたが、宮女から内命婦に入った場合には、最下の従四品淑媛(スグォン:숙원)から始まるのが常でした。
そして、王子を産んだ場合には、その功をたたえ、最高位の正一品(チョンイルプム:정1품)嬪(ピン:빈)になりました。
張玉貞(チャン・オクチョン:장옥정)も王子を産んだあとに張禧嬪(チャン・ヒビン:장희빈)となりました。
※正しくは禧嬪張氏(ヒビンチャンシ:희빈장씨)
後宮の正五品尚宮、世子宮の従六品以下は宮女で総じて宮官(クングァン:궁관)と呼びます。
それぞれに衣食住に関する具体的な仕事が割り振られています。
ちなみに、イ・ビョンフン監督の作品に出てくる最高尚宮(チェゴサングン)は実在しません。この表に記載がない特別な尚宮に承恩尚宮(スンウンサングン:승은상궁)があります。
特別尚宮(トゥクピョルサングン:특별상궁)とも呼ばれ、王の寵愛を受けた宮女が封ぜられる正五品の尚宮(サングン)です。
通常、尚宮には内人(ナイン)として15年働かなければなれないため、お手つきになると破格の昇進ができるわけです。
さらに寵愛されれば正式に後宮に列挙されます。
残念ながらそれ以上の寵愛されなければ、王の身辺の世話をする堤調尚宮(チェジョサングン:제조상궁)となることもあります。
トンイの出世を見てみると、品階のない最下層のムスリから正一品嬪までの完璧な垂直上昇です。
(個人的には針房の内人だったという説を支持しています)
けれどもトンイは中殿になることができませんでした。
これは先んじて同じように垂直上昇を見せ張禧嬪(チャン・ヒビン)が、中殿になる過程やその後に忌まわしい出来事を起こしたため、再発を防ぐべく法を作ったからです。
結局、揀擇(カンテク:간택)により新たな中殿を招きました。
主人公トンイとの差別化でしょうか。
さて、トンイに限らず朝鮮王朝ドラマを深く視聴するためには内命婦(ネミョンブ:내명부)を押さえておく必要があります。
内命婦(ネミョンブ:내명부)
宮中の後宮や宮女の総称です。
定義として重要なことは品階が付与されていること。
中殿(チュンジョン:중전)は王の正室であるため品階を超えた存在であり、内命婦の統率者です。
また、ムスリなどは品階を与えられていません。
要するに、後宮の最高位、正一品から、官女の最低位、従九位までの宮中の女性が構成員となります。
ちなみに、内があれば外もあるもので外命婦(ウェミョンブ:외명부)として、宮廷外の王族や両班の子女・婦女子に品階を与え統率しています。
それでは、詳しく見てみましょう。
これを押さえれば、トンイやオクチョンの出世の軌跡が分かりやすくなります。
★内命婦の品階 後宮
品階(プンゲ:품계) | 後宮 | 世子宮(セジャグン:세자궁) |
正一品(チョンイルプム:정1품) | 嬪(ピン:빈) | |
従一品(チョンイルプム:종1품) | 貴人(クィイン:귀인) | |
正二品(チョンイプム:정2품) | 昭儀(ソウィ:소의) | |
従二品(チョンイプム:종2품) | 淑儀(スグィ:숙의) | 良悌(ヤンジェ:양제) |
正三品(チョンサムプム:정3품) | 昭容(ソヨン:소용) | |
従三品(チョンサムプム:종3품) | 淑容(スギョン:숙용) | 良媛(ヤンウォン:양원) |
正四品(チョンサプム:정4품) | 昭媛(ソウォン:소원) | |
従四品(チョンサプム:종4품) | 淑媛(スグォン:숙원) | 承徽(スンヒ:승휘) |
正五品(チョンオプム:정5품) | 尚宮(サングン:상궁) 尚儀(サンウィ:상의) | |
従五品(チョンオプム:종5품) | 尚服(サンボク:상복) 尚食(サンシク:상식) | 昭訓(ソフン:소훈) |
正六品(チョンユクプム:정6품) | 尚寢(サンチム:상침) 尚功(サンゴン:상공) | |
従六品(チョンユクプム:종6품) | 尚正(サンジョン:상정) 尚記(サンギ:상기) | 守閨(スギュ:수규) 守則(スチク:수칙) |
正七品(チョンチルプム:정7품) | 典賓(チョンビン:전빈) 典依(チョニ:전의) 典膳(チョンソン:전선) | |
従七品(チョンチルプム:종7품) | 典設(チョンソル:전설) 典製(チョンジェ:전제) 典言(チョノン전언) | 掌饌(チャンチャン:장찬) 掌正(チャンジョン:장정) |
正八品(チョンパルプム:정8품) | 典贊(チョンチャン전찬) 典飾(チョンシク:전식) 典藥(チョニャク전약) | |
従八品(チョンパルプム:종8품) | 典燈(チョンドゥン:전등) 典彩(チョンチェ:전채) 典正(チョンチョン:전정) | 掌書(장서) 掌縫(장봉) |
正九品(チョンクプム:정9품) | 典燈(チョンドゥン:전등) 典彩(チョンチェ:전채) 典正(チョンチョン:전정) | |
従九品(チョンクプム:종9품) | 奏變徵(チュビョンチ:주변치) 奏徵(チュチ:주치) 奏羽(ジュウ:주우) 奏變宮(ジュビョングン:주변궁) | 掌藏(チャンチャン:장장) 掌食(チャンシク:장식) 掌醫(チャンウィ:장의) |
これからは史実も踏まえての考察を行うため、若干のネタバレがあります。
予備知識を入れたくない方は、このあとの記述を読まないでください。
後宮の正一品から従四品は王の側室で総じて内官(ネグァン:내관)と呼びます。
オクチョンやトンイが最初に受けた品階は従四品淑媛(スグォン:숙원)です。
揀擇(カンテク:간택)により入宮した後宮で、比較的名家の出自の場合、従一品(チョンイルプム:종1품)貴人(クィイン:귀인)などから始まりましたが、宮女から内命婦に入った場合には、最下の従四品淑媛(スグォン:숙원)から始まるのが常でした。
そして、王子を産んだ場合には、その功をたたえ、最高位の正一品(チョンイルプム:정1품)嬪(ピン:빈)になりました。
張玉貞(チャン・オクチョン:장옥정)も王子を産んだあとに張禧嬪(チャン・ヒビン:장희빈)となりました。
※正しくは禧嬪張氏(ヒビンチャンシ:희빈장씨)
後宮の正五品尚宮、世子宮の従六品以下は宮女で総じて宮官(クングァン:궁관)と呼びます。
それぞれに衣食住に関する具体的な仕事が割り振られています。
ちなみに、イ・ビョンフン監督の作品に出てくる最高尚宮(チェゴサングン)は実在しません。この表に記載がない特別な尚宮に承恩尚宮(スンウンサングン:승은상궁)があります。
特別尚宮(トゥクピョルサングン:특별상궁)とも呼ばれ、王の寵愛を受けた宮女が封ぜられる正五品の尚宮(サングン)です。
通常、尚宮には内人(ナイン)として15年働かなければなれないため、お手つきになると破格の昇進ができるわけです。
さらに寵愛されれば正式に後宮に列挙されます。
残念ながらそれ以上の寵愛されなければ、王の身辺の世話をする堤調尚宮(チェジョサングン:제조상궁)となることもあります。
トンイの出世を見てみると、品階のない最下層のムスリから正一品嬪までの完璧な垂直上昇です。
(個人的には針房の内人だったという説を支持しています)
けれどもトンイは中殿になることができませんでした。
これは先んじて同じように垂直上昇を見せ張禧嬪(チャン・ヒビン)が、中殿になる過程やその後に忌まわしい出来事を起こしたため、再発を防ぐべく法を作ったからです。
結局、揀擇(カンテク:간택)により新たな中殿を招きました。