トンイ第19話考 交泰殿(キョテジョン)とは?

交泰殿(교태전:キョテジョン)

韓国時代劇の不朽の名作女人天下を見た人なら間違い無く覚えている単語でしょう。
中殿が住んでいた館がまさにこの交泰殿です。
そのことからも、交泰殿は「交泰殿の主人(キョテジョネ チュイン:교태전의 주인)」として中殿そのものを指す言葉としても使われています。


さて、トンイについておさらいしておきましょう。
ドラマの背景は第19代朝鮮王の粛宗(スクチョン)の御代です。
フィクションが混ざっているので確定できませんが、第19話は1683年か84年ごろです。


張禧嬪(チャン・ヒビン)の兄チャン・ヒジェが、ヒビンにトンイの処遇について改めて聞いた時に


「交泰殿(キョテジョン)の主人は中殿ですが、殿下の御心をつかむのは、あの女かもしれません」


という台詞を口にしました。
字幕では「王妃の座をつかんでも」とサラリと流していたところです。

代名詞的用法で交泰殿(キョテジョン)という言葉を使ったのだと解釈しようとしましたが、どうも引っかかります。
のちの回に明らかに場所としての交泰殿(キョテジョン)が現存する旨の表現があり、愕然としてしまいました。


なぜかというと


粛宗(スクチョン)の御代には交泰殿(キョテジョン)は存在しないから。


です。


朝鮮王朝が始まった直後の1394年、景福宮(キョンボックン)という宮殿が作られました。
その後、第14代宣祖(ソンジョ)の御代の1592年、悪名高き秀吉の朝鮮出兵(壬辰倭乱:イムジンウェラン)の際に、王宮から逃げ出した王への反発から、民衆により王宮は略奪・焼き討ちにあい、焼け落ちてしまったのです。


その後、実に273年間再建されなかった景福宮(キョンボックン)
当然ながら景福宮(キョンボックン)内の交泰殿(キョテジョン)も、その間存在しなかったのです。
史実に照らせば、当時中殿が使用していたのは昌徳宮(チャンドックン)内大造殿(テジョジョン)ではないかと思われます。


チャン・ヒジェが件のセリフを発したのが1683年前後とすると、90年前に焼け落ち、その後180年ものあいだ再建されなかった交泰殿(キョテジョン)に住むなんてありえないことなのです。


ではなぜ、このような間違いが起きたのでしょうか?


先述したように、交泰殿(キョテジョン)とは王の正妃・中殿が住む場所として時代劇に高頻度で出てきます。
また、中殿の代名詞としてもよく使用されています。
だからシナリオライターがうっかりミスをしてしまったのでしょう。
女人天下という名作を見ていれば、なおさら刷り込まれていた可能性があります。


とはいえ、プロにあるまじき初歩的なミス。
このドラマを見た学生は、試験で解答ミスをしたかもしれませんね。

テーマ : 韓国ドラマ
ジャンル : テレビ・ラジオ



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Author:さくさく
本業はアジアを駆け巡る旅人で、アジアン雑貨のネットショップオーナーです。
タイにはしょっちゅう行くのですが、実は韓国へは一度しか行ったことがありません(笑)

数えたことはありませんが、週に20時間、累計100本以上の韓国ドラマを見ていると思います。
ここ数年は、20話程度のミニシリーズではもの足りず、大河ドラマ(時代劇)や150話程度の日々ドラマにはまっています。

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