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トンイに見る衣装の真偽

服飾について解説していこうと思い資料を漁りましたが、資料があまりにも膨大で、簡単にはまとめ切れそうにありませんでした。
しかも、わからないこともけっこう多いので、総論としては断念しました。
というわけで、質問があったものを各論的にピックアップしていきます。


縫製・刺繍

この2つについては高度な技術がありました。刺繍については婦女子のたしなみとして、広く普及もしています。
宮廷内では、トンイこと淑嬪崔氏(スクビンチェシ:숙빈최씨)が所属していたと言われている針房(チムバン:침방)で、王・王族も含めた宮廷内の縫製作業のすべてを請け負っていたし、繍房(スバン:수방)では刺繍などの装飾を専門に担当しました。それぞれに結構な人数の宮女が所属していました。


金糸については、粛宗(スクチョン:숙종)の御代から1000年以上前の百済の時代のものが出土しています。
また、日本の飛鳥時代に残っているものなどは、百済から輸入されたものではないかと言われています。
王や中殿の服に金糸が使われていますが、百済の例を鑑みても特別なことではありません。


装飾品

もともと高句麗や百済は現在の国境線を考えると、中国人となります。
高句麗を建国したチュモンを見た方も多いと思いますが、舞台は朝鮮半島ではなく、鴨緑江(アムノッカン)より北なのです。
この位置関係を意外と把握していない人が多いのですが、ようするに、高句麗や百済の王族・貴族は今の中国から南下してきたツングース系遊牧民ではないかと言われています。

韓国の百科事典によると、この遊牧民族はウクライナの黄金装飾で有名な遊牧民族スキタイとも深い関係があるとも言われ、高句麗の精密な黄金の装飾品にも、その特徴が表れているとのこと。
そのような素地があるため、装飾品を制作する技術なども、次世代に受け継がれていると見て差し支えないでしょう。


白衣民族

19世紀になって朝鮮を訪れた外国人が、のきなみ驚いたのは、民衆の服が総じて白かったことでした。
この事実に対して、染色技術がなかったと馬鹿にする記述も見られますが、個人的には染色技術を持とうとしなかったという表現のほうが正しいと思います。

朝鮮の民衆が白衣を好んだのには、宗教観によるものです。
三国時代・高麗は仏教で朝鮮は儒教と安易に考えがちですが、朝鮮には特有の天地神明(천지신명:チョンジシンミョン)信仰があります。

ドラマでも「チョンジシンミョン様(ニム)」「天さま(ハヌニム:하느님)」と拝んでるおばちゃんがいますよね?現代ドラマでもけっこういます。
太陽や土地に対する土着の信仰ですが、太陽の光=白という概念を2000年ほど持ち続けていたようです。

中原の王朝からの指摘からか、通商政策の一環からか、高麗も含め朝鮮の王たちも白衣禁止令を出しています。
愛しの?粛宗(スクチョン:숙종)さまも、肅宗2年と17年に同禁止令を出していますが、結局20世紀になるまで白衣は続きました。

このような信仰心があったため、朝鮮では染色技術が発達しなかったのです。
ただ、草木染めなどの技術や衣服がまるっきりなかったかというとそうでもなく、技術の記録も残っています。
イ・ビョンフン監督が民衆の衣服に色を付けたのも、このような裏付けがあってのことです。

また、私見ですが、薬草などの韓方医のレベルがあれだけ高いのですから、やろうと思えば草木染めの各種技術を確立できなかったはずはないと思うのです。
単に需要がなかったから技術が確立されなかったと見るべきでしょう。


ただし、については注意が必要です。
日本のように織りが発展しなかったのは、質素を良しとする儒教的観念があったからです。
当時は日本人の衣服を見て、かなり異質で野蛮なものと思っていたフシがあります。
ですので、ドラマの登場人物の衣服に、刺繍意外の変な柄があったなら、それは時代考証として指摘すべき、現代的な思考の産物と見るべきでしょう。

また、トンイを見ていてものすごく気になるのが中殿の部屋。
あんなにごちゃごちゃ装飾してあるのは、ちょっといただけません。実際にはかなりシンプルなんですよね~。
他のドラマと比べても、装飾過多だと思いませんか?

テーマ : 韓国ドラマ
ジャンル : テレビ・ラジオ



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さくさく先生、ありがとう~!

金糸は百済の時代からあるのですね。さくさく先生の仰る様に、百済と親交のあった大和政権時代の宝物等を思い浮かべると、なるほどと思いました。

私も中殿の部屋は、?と思います。上等な家具は奥の部屋に置き、スッキリとした部屋がステイタスだった筈。

今の朝鮮の人達のご先祖様はどこから来たのでしょうか? 新羅が朝鮮を統一し、その後、高句麗を尊ぶ(?)人達によって高麗ができ、李氏朝鮮の初代王は高麗の将軍ですよね。またまたですが、お時間のある時にお願いいたしまする~。

知らなかった!

刺繍と縫製が別々の部署で扱われてたなんて、何て細かい分業制なんでしょう。それにしても中殿の部屋はやっぱりウソ臭かったんですね。家具があり過ぎというか、狭苦しいというか。でも、実際の広さはあんなもんだったんですか?何だか田舎両班(失礼)のお屋敷クラスぐらいにしか見えなくて、ちとビンボくさい(またまた失礼)ですよね。後の時代のイ-サンの頃の中殿のセットの感じを鵜呑みにしてるからいけないのかな?側室たちの部屋でも、もっと広かったようなイメージがあって、違和感が拭えないのであります。これまた、イ監督マジックなんでしょうか?さくさくさん、教えて!

Re: さくさく先生、ありがとう~!

朝鮮王の家系は全州李氏なので、出自は百済のあった場所です。ざっくりいうと半島の左下です。現在もそこに祀られています。全州旅行の特集などでは必ず紹介されます。

ただ・・・本当は女真族だったのではないかという説もあります。
実際、太祖・李成桂は北に住んでいましたし、幾つかの条件が、女真族であったことと合致しています。
ちなみに、女真族とは中国最後の王朝・清を建国した満州に土着していた民族です。
真偽の方は定かではありません。中国人は彼が女真族(中国人)だったほうが都合がいいのでいいはるでしょうし、韓国人は半島人だったと言い張ります。
だから、このことを韓国人にいうと、きっと嫌われます(笑)

余談ですが「李氏朝鮮」という言い方も「日本人が勝手に言ってる」と、少々嫌がられます。単に「朝鮮」と言ったほうが良いです。日本で使うと実際は紛らわしいですが(汗)


> 金糸は百済の時代からあるのですね。さくさく先生の仰る様に、百済と親交のあった大和政権時代の宝物等を思い浮かべると、なるほどと思いました。
>
> 私も中殿の部屋は、?と思います。上等な家具は奥の部屋に置き、スッキリとした部屋がステイタスだった筈。
>
> 今の朝鮮の人達のご先祖様はどこから来たのでしょうか? 新羅が朝鮮を統一し、その後、高句麗を尊ぶ(?)人達によって高麗ができ、李氏朝鮮の初代王は高麗の将軍ですよね。またまたですが、お時間のある時にお願いいたしまする~。

Re: 知らなかった!

実際はかなり広いです。王や王妃が住む部屋は「殿(チョン)」なので、一番大きい間取りです。後宮の住む部屋は「堂(ダン)」なので、殿より間取りが小さくなります。
現在の韓国人のお金持ちの部屋ってセンスないですよね。ロココ調とゴシック調などが入り乱れていて成金趣味というかなんと言うか。今回の中殿の部屋もそんなデコり具合が垣間見えます。
狭いのはカメラのおさまり、画角上だと思います。

> 刺繍と縫製が別々の部署で扱われてたなんて、何て細かい分業制なんでしょう。それにしても中殿の部屋はやっぱりウソ臭かったんですね。家具があり過ぎというか、狭苦しいというか。でも、実際の広さはあんなもんだったんですか?何だか田舎両班(失礼)のお屋敷クラスぐらいにしか見えなくて、ちとビンボくさい(またまた失礼)ですよね。後の時代のイ-サンの頃の中殿のセットの感じを鵜呑みにしてるからいけないのかな?側室たちの部屋でも、もっと広かったようなイメージがあって、違和感が拭えないのであります。これまた、イ監督マジックなんでしょうか?さくさくさん、教えて!

疑問解決です

ありがとうございました。狭ーい感じで変に思っててよかったわけで安心しました。オクチョン様は中殿になったので、もうお引越しして広々と暮らしてるはずなのに、嬉嬪の頃(就善堂でしたっけ?)と部屋の広さに大差がなくて、妙な感じですよね。中殿の家具調度の趣味についてはよく判らないのですが、全体にケバイなと思います。スタイルや時代の統一がなされてないのは日本の成金様におかれましても屡々お見受けする失敗ですが、中殿様もなんですか?

Re: 疑問解決です

粛宗は「贅沢の害毒は災害よりも激しい」と、普段から絹の服を着なかったような王ですので、さすがにオクチョンも過度な贅沢はしてなかったのではないかと思います。
おそらくは中殿としてのフォーマットに則った調度を持っていたのではないかと思います。
朝鮮は前例主義ですから。
ただ、私家は贅沢三昧だったのかも知れませんね!

> ありがとうございました。狭ーい感じで変に思っててよかったわけで安心しました。オクチョン様は中殿になったので、もうお引越しして広々と暮らしてるはずなのに、嬉嬪の頃(就善堂でしたっけ?)と部屋の広さに大差がなくて、妙な感じですよね。中殿の家具調度の趣味についてはよく判らないのですが、全体にケバイなと思います。スタイルや時代の統一がなされてないのは日本の成金様におかれましても屡々お見受けする失敗ですが、中殿様もなんですか?

わかりました

スッキリです!また、いろいろ教えて下さいね。

トンイの衣装監督

「韓国ドラマ 時代劇王 2011秋」(ISBN978-4-04-899048-6)にトンイの衣装監督イ・ヘラン氏のインタビューが掲載されています。
(要約)ビョンフン監督は以前は時代考証に厳格だったがホジュンの頃から柔軟になった。
「現在は60%ぐらいは決まりごとに従い、30~40%ぐらいをアレンジしています」
「時代劇も人物ごとにその性格や役割で衣装に変化をつけ個性を出したい」
と語っています。
こういうことがわかっていれば娯楽作品として割り切って楽しめますね。

Re: トンイの衣装監督

そうですね。イ・ビョンフン監督自身もおっしゃってますが、ホ・ジュンのころからドラマの現代化を初めています。
テンポもはやくなって、セリフも現代的になって、時代考証も緩くなってます。
このことで学者さんからはけっこう責められていますが、歴史をお茶の間のご楽にした功労は大きいと思います。
ただ、それを信じこんじゃうのも大衆なので、そのあたりの知識の修正をウェブが担うのかなって思ってます!

> 「韓国ドラマ 時代劇王 2011秋」(ISBN978-4-04-899048-6)にトンイの衣装監督イ・ヘラン氏のインタビューが掲載されています。
> (要約)ビョンフン監督は以前は時代考証に厳格だったがホジュンの頃から柔軟になった。
> 「現在は60%ぐらいは決まりごとに従い、30~40%ぐらいをアレンジしています」
> 「時代劇も人物ごとにその性格や役割で衣装に変化をつけ個性を出したい」
> と語っています。
> こういうことがわかっていれば娯楽作品として割り切って楽しめますね。

日韓併合前まで朝鮮半島国に染色技術が無かったのは事実だし隠しようが無いでしょ
朝鮮王族や両班が着ていた色のついた服は中国から買ってたんだね
ちなみに李氏朝鮮の王族や両班は女真族で形成されていて、白丁の方は朝鮮人だったんだね
日韓併合前の韓国人の識字率は10%くらいで
韓国人は100年前まで読み書きができなかったって記録にも残ってるよ
高句麗や百済は女真族の国家で新羅も朝鮮人とは関係ないらしい
朝鮮人は新羅と関係ない国の統一新羅時代にツングース地方から移住して来た、ニューカマーのエベンキ族と朝鮮半島の原住民と混血してできたのが今の朝鮮民族で朝鮮語は、朝鮮半島の原住民の言語らしいね

Re: タイトルなし

歴史家なら使わない単語もあり、2ヶ所理論破綻した記述がみられます。
ご自身でお気づきいただければ幸いです。

> 日韓併合前まで朝鮮半島国に染色技術が無かったのは事実だし隠しようが無いでしょ
> 朝鮮王族や両班が着ていた色のついた服は中国から買ってたんだね
> ちなみに李氏朝鮮の王族や両班は女真族で形成されていて、白丁の方は朝鮮人だったんだね
> 日韓併合前の韓国人の識字率は10%くらいで
> 韓国人は100年前まで読み書きができなかったって記録にも残ってるよ
> 高句麗や百済は女真族の国家で新羅も朝鮮人とは関係ないらしい
> 朝鮮人は新羅と関係ない国の統一新羅時代にツングース地方から移住して来た、ニューカマーのエベンキ族と朝鮮半島の原住民と混血してできたのが今の朝鮮民族で朝鮮語は、朝鮮半島の原住民の言語らしいね
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プロフィール

さくさく

Author:さくさく
本業はアジアを駆け巡る旅人で、アジアン雑貨のネットショップオーナーです。
タイにはしょっちゅう行くのですが、実は韓国へは一度しか行ったことがありません(笑)

数えたことはありませんが、週に20時間、累計100本以上の韓国ドラマを見ていると思います。
ここ数年は、20話程度のミニシリーズではもの足りず、大河ドラマ(時代劇)や150話程度の日々ドラマにはまっています。

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